趣味のこと、幸せのこと

ヤマギシで生まれた発達障害者が幸せについて本気だして考えてみた、というほどでもなく趣味についてやあれやこれや気ままに書くブログ

【アニメ】精霊の守り人は神がかった神アニメだった

以前今期アニメの感想をアップしましたが、今回は今NHK総合で金曜深夜に放送しているアニメ精霊の守り人を取り上げたいと思います。

この精霊の守り人は2007年に制作、NHKのBSで放送していたアニメなので厳密には今のアニメとは違うというわけでして。以前やっていた時私は見逃してしまったのです。

いやそもそも私は上橋菜穂子さんの原作である「守り人」シリーズの第一作『精霊の守り人』に高校の図書館で出会ってすごい衝撃を受けたのです。私の理想のファンタジーはこういうものだ!と思いました。人物描写に風俗描写、「異世界」の設定、込められた深いテーマ…人類学者ならではというのでしょうか、真面目で丁寧な作風、そして見事なストーリーにしびれました。

続く『闇の守り人』『夢の守り人』『神の守り人』『虚空の旅人』『蒼路の旅人』までは読んだものの、いまだシリーズ完結までは読んでいないのですが。

とにかく今再放送しているのを知ってから今度こそ見逃すまい、と毎話録画して観ております。

 

ざっとあらすじを紹介すると

この世と平行して存在する目に見えない世界<ナユグ>の「水の精霊」の卵を産みつけられてしまったため、父帝から命をねらわれることになった新ヨゴ皇国第二皇子チャグム。
彼は刺客の罠にかかったところをバルサという短槍使いの用心棒の女性に救われる。養父の罪をあがなうため人助けの旅を続けていたバルサは、チャグムの護衛を引き受ける。
バルサの仲間たちとの交流の中で、皇子という生い立ちとは関係なく一人の少年としてたくましく成長していくチャグム。
バルサは刺客を防ぎながら、「水の精霊」の卵を孵しチャグムの身を守りきれるのか…。

 

原作でなくアニメの方の出来は…素晴らしいデース!ファンタースティコ!(今テレビでイタリア語観ている)

何がすごいってもう動く絵を超越しているところです。そこに人が生きています、暮らしています。新ヨゴ皇国があります!

新ヨゴ皇国は古代の東アジア(東南アジアも?)をベースにしていると思われますが、王宮での暮らし、街での暮らし、農村での暮らし、動物たち、田畑や自然そして異世界<ナユグ>…どれも確かにそこに存在している手触りを感じさせるんです。

※インターネッツの情報では江戸時代の日本がベースのようですね

絵のクオリティももちろんですが、本当に細かなところまでちゃんと描いていて、バルサとチャグムが暮らす小屋の水車の仕組みまで説明してくれるんですよ!

アニメのキャラクターはご飯食べなくても死なないし、誰もお米や服やいろんなもの作ってくれなくても困らない存在です。でも、精霊の守り人では作っている人、それを使う人、そのほか全ての存在で世界が形作られていることが伝わってくるんです。こんなアニメほかにあるんだろうか?? 

もうここまでいくと新ヨゴ国のドキュメンタリーを、それも良質なものを観ている気分ですよ。

私は民俗学とか文化人類学とか好きなんでこういうのすごく興奮してしまう(笑)

人によっては話の展開が遅い、と感じるかもしれませんが、いいぞもっとやれ!って感じです。むしろ「そこ」を描くことこそこの作品の肝だと思いますね。

ていうか新ヨゴ皇国の文字って西夏文字を参考にしてるんじゃないかな!?シュトヘルファンとしてはそれもちょっぴり嬉しい。

 

キャラクターたちですが、バルサは原作通りカッコよく、強く、そして優しい。そして巨乳(笑)

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バルサ描いてみました

 

あの胸じゃ戦う時に邪魔になりそう、といらぬ心配をしてしまうぐらいですが、狩人やバルサに因縁がある男との戦いを見る限り問題ナッシング、と推測されます。バトルシーンは本当にすごいです。一見の価値ありです。

チャグムは賢い、すごくしっかりしている。原作にはないエピソード(イカサマを見抜く等)ではチャグムの並はずれた賢さや器の大きさの片りんを感じさせてよかったです。

でも、原作のチャグムはしっかりしているけどまだ幼くて、自分の運命を受け入れ難く苦しんでいるときもあります。自分が望んだわけでもないのに精霊に卵を産まれて命を狙われて逃亡生活になったら誰だって「なんで自分がこんな目に!」て思うと思うんですよね。その鬱屈をバルサにぶつけるシーンは原作屈指の名シーンだと思っているので、アニメでは描かれることがあるのか、気になります。

今のところアニメのチャグムはしっかりし過ぎていてそんなことしそうにないんですが。まあ1話だけ見逃したので1話で済ませていたのならすいません。

→19話でやりましたね。でも原作の方が良かったかな。バルサがチャグムをひっぱたくのは正直いらなかったと思う…

 

薬師のタンダはいかにも優しそうで原作ぴったりだし、シュガがイケメンでまさに若きホープといった感じだし、トロガイ師の呪術師っぷりも、とにかくどのキャラクターたちも原作のイメージを崩すことなくむしろ存分に魅力的になって登場しています。

ありがとう、いち原作ファンとして御礼申し上げます。あーりーがーとーう!!

原作ファンとしては原作の世界観を崩してほしくない、という希望は強いんですが、このアニメにだいぶ原作者の上橋さんが協力されているんでしょうか?原作にないエピソードや描写があっても決して原作を壊しているわけではなく、むしろ補完したり充実味が増してて、原作を完璧になぞらなくても成功するいい見本だと思います。

結末はわかっていてもどのように話が展開するか?わからなくて原作読んでいてもワクワクできるのもいいですね!

 

精霊の守り人のアニメは絵もストーリーもキャラクターも設定も全てが神っていると言えるんですが、一つだけ難癖をつけるとしたらOPがなぁ… 歌、というよりあの歌い方が私は好きになれない。

ラルクは嫌いじゃない、でもあの粘り気のある歌い方がなんか気になるんだー、すまん!

ちなみにNHKでドラマ化したのは怖くて観れませんでした。

実写で果たしてこの世界観を表しきれるのだろうか!?アニメに任せておいた方がよくないですかね??

初めてのデジタルイラスト②

初めてデジタルで描いた絵で自分の実力を知り、早速心折れかけましたがこれくらいで挫折していては歩けないまま終わる赤子だ、というわけでもうちょっと上手になれるようベイビーステップで頑張ろうと思います。

 

2回目に描いた絵がこちら

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ふう、少しはマシになりましたかね。まずは

ペンタブで自分の思ったように線を引けるようになる

というのを目標にしまして、青→赤→緑の順番で下に描いた線をなぞっていきました。

少しやってわかったんだけど、ペンタブの方を見て絵を描くのではなく、ひたすらPCのモニター、つまり絵の方を見つめて線を引く方がうまく描ける感じです。

紙に絵を描いていた時のくせでついペンタブ(描いているところ)を見てしまいそうになるんですが、絵を見ず絵をかけるか!ということですかね。

そしてこれはペンタブの筆圧テストで描いた絵なんです。

気づいたんですけど、pixiaよりよっぽど筆圧テストの方が描きやすくない?

Pixiaは線の太さを一度選んだら筆圧で線の太さ、濃さを変えることができません。「はらい」のような線も引けませんし。

でも、筆圧テストは筆圧を感知して線の太さや濃さが変わるんですよ!当然髪先など徐々に細くなる線も描ける!

鉛筆とかで紙に描くのに近い描き心地で、すごく描きやすいです!pixiaなんていらんかったんや!

すみません、私がまだ使いこなせていないだけです。いつまでも筆圧テストのところで絵を描き続けるわけにはいかないし、もっとお絵かきソフトの機能を調べていかないと、自分の描きたい絵なんてなかなかたどりつけないです。

 

そしてもう一つ工夫してみたのが、タブレットに薄い紙を敷いてみました。

そうするとツルツルして描きにくかったのが紙に描いているように断然描きやすくなりました!

筆圧テストだからうまくいったのかもしれないけど、私には紙を敷いてやった方が描きやすいかもしれないです。

 

そしてその次に描いた絵がこちら

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本を読んでいる人のスケッチです。こっちはpixiaで描きました。紙を敷いてpixiaでもちゃんと描けますね、よかった。

え?もうこれだけ描けるなんて私もしかして素質あるんじゃない?

とすーぐ調子に乗るわたくし。

だいぶデジタルで絵を描くことに慣れてきた感じでだんだん楽しくなってきました。

どんなに下手だろうと楽しく絵を描けるっていいなあ。小学生の時とか笑っちゃうくらい下手だったけど、毎日楽しくノートに落書きしていたもんなあ、と懐かしい気持ちが蘇りました。

最初はただ楽しかった絵を描くことが楽しくなくなったのっていつからだっただろう?

自分より上手い人の絵をたくさん見て、自分の絵がへたくそ過ぎて「こんなんじゃダメだ」って思った時だったかなあ?

ある時「あそこまでは行けない」って自分の限界を決めてしまった時があったなあ。

 

とにかくまだまだ工夫や練習の余地ありまくりですが、それって伸びしろがまだまだあるということだね!とポジティブに考えることにして練習に励むことにします。

目標はできるだけ毎日1枚は絵を描くようにする、なにより上手い下手を気にせず楽しんで描く、でいこう。

ふるさと再生 日本の昔ばなしに物申す

ぼお~や~、よいこだねんねしな~

の歌を懐かしく感じる世代です。龍に乗ったぼうやかわいかったですね~。

私は子どもの頃ヤマギシにいたけど日本昔話は観たことあるんですよねー。親元に帰った時とかに何度か観たけど面白かった記憶があります。

実はですね、今も日本昔話のアニメをやっているんですよ!

今やっているのはヘーベルハウス劇場の「ふるさと再生 日本の昔ばなし」というアニメで日曜の朝9時に放送しています(三重テレビでは木曜の夕方にも放送している)

子持ちのお母さんのおうちに遊びに行った時に観せてもらったのをきっかけに、私も観るようになったんです。

私年を取るにつれて子どもむけアニメが楽しくなってきてですね。むしろ山あり谷ありでハラハラドキドキしたり、複雑な設定で観るのに頭を使うのはもういいや、って感じで単純に楽しめる作品を求める感じになっていまして。

それでふるさと再生 日本の昔ばなしは基本「めでたしめでたし」のほのぼのストーリーで、人が死なないし安心して観られると思ってすごくお気に入りだったんです。

そう、私はふるさと再生 日本の昔ばなしが大好きなんですよ。本当は物申すことなどございません、クレーマーじゃありません、と言いたいところなんです。

 

それが夏頃から「めでたしめでたし」では済まない話が増えてきたんです。

夏といえば怪談、そう、「怖い話」が増えたんですよ、ヒュードロドロ。

おいてけ堀などの有名な怪談はまだしも、とうとう「人が死ぬ」話が放送されるようになったんですよ!

 

待ち続ける妻のところへ帰らなかった夫が死んだ妻に魂持ってかれる「死んだ妻の悪霊」、嫉妬深い妻が開けてはいけないと言われた箱を開けて目玉を抜かれ幽霊?と化す「嫉妬の箱」、前妻が死ぬ際後妻を娶らないと約束したのに後妻を娶り、後妻が前妻の霊にとり殺される「やぶられた約束」、などなど。ていうか後妻何も悪いことしてないよね?理不尽すぎない?

 

そしてついにこんなのまで放送されました。それが「吉作落とし」です。

※吉作の読みは「きっさく」

どんな話かというと

吉作というイワタケ(岩場に生えるキノコ)取りの名人がいました。

吉作は腕に自信があったので、ある時「危ないので行ってはいけない」と言われていた岩峰までイワタケ取りに行きました。

イワタケがたくさん取れて、浮かれる吉作はちょうどいい足場があるのを見つけてそこで休憩することにしました。

しかし、吉作の体の重みで伸び切っていた縄が縮み、吉作は岩峰に取り残されてしまうのです。

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絵にするとこんな感じ

 

助けを呼んでも岩峰には誰も近づかないので声が届くことはありません。

岩場からしたたる水を舐め、なんとか生きながらえるのですが、幾日もたつと吉作はやつれはて、ついには岩峰から落ちていくのでした、笑い声をあげながら…

 

エグい、エグすぎるよ!絶望しかない話だよ!

何が怖いって吉作が岩峰に取り残されてから死ぬまでをすごくリアルに描写しているところです。

縄に手を伸ばすけれど届かないので岩壁を登ってみるも、崩れてしまって登れない。

何度助けを呼んでも一向に返事はなく、助けは来ない。

次第にやつれて幻覚を見るほど精神的にも追い詰められていく。

そして落ちていく吉作の顔がまさに狂気です。涙とよだれを流し笑いながら落ちていくところの絵の凄まじさ、これ自分で飛び降りたという解釈でいいのかな?

 

これって「よいこなぼうや」向けの作品じゃなかったっけ?厚生労働省推薦(児童福祉文化賞受賞)だよね?EDでは「ぴょんぴょん、ぷにょぷにょ、ぷぎぷぎ、いえーい」とか歌ってるよね?

何が「いえーい」だよ!怖すぎるんじゃーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

完全に観ていた子どもたちの胸にトラウマブぶち込みにいってますよ。制作者は鬼や。

被ってた羊の皮はがしてきてるよ、狼が見えちゃってるよ~。

お話の中では己を過信するとこうなる、という教訓を込めてその岩峰を「吉作落とし」というようになったのです、と〆ていました。

現実の世界はいつも「めでたしめでたし」とは限らないし、こういう作品は意義があるともいえるかもしれません。

しかしですね。最近のふるさと再生 日本の昔ばなしにこれだけは言いたい。

 

もうやめてええええええええ

こわいんじゃあああああああ

 

私は夜寝る前に歯磨きしながらこの番組を観る習慣があるのですが、「吉作落とし」を観た日はなかなか寝付けませんでした。

子ども向けとナメてた私が悪かった。でもこれからはできるだけほのぼの路線でお願いします。人死にはできるだけ無しの方向でお願いします。

ほんとすごいものを観てしまった。制作した人は狙ってやってるよね?してやったりだよね?

 

なんだかんだ言ってふるさと再生 日本の昔ばなしはとても良質なアニメでオススメです。EDの歌もかわいいし。

子ども向けと侮らず、どうぞご覧になってください。とてつもないものが観れるかもしれませんよ…

 

※最近は怪談もの減りました、良かった。「船を沈めた大鯉」とかでも人死んでたけどね!怖くなければOK!

初めてのデジタルイラスト

アマゾンさんから憧れのペンタブ届きましたー

人生初ペンタブですよ!

私は昔から絵を描くのが好きで漫画家を目指していたこともあるのですが、美大受験に失敗したことをきっかけに自分の技術不足を痛感、以来絵を描くことから遠ざかっていたのです…

それでも細々と絵を描いて、ペンタブも大学生ぐらいからずっと欲しいと思っておりました。

自分のような下手っぴがペンタブ持っても使いこなせないよな、高いしやめとこ、と自分に言い聞かせつつ何度も家電屋さんに足を運び、踏ん切りつかないまま月日が流れました。

そしてついに、このブログを始めるにあたってイラストとかも載せたい、それならデジタルが便利だ→ペンタブ買うしかない!とネットでペンタブを探しました。

できれば1万円以下がいい、でも機能も重要だし、ペンタブならやはりwacomか、とぐだぐだ考えながらアマゾンを見ていると、HUIONという見慣れない文字が飛び込んできました。

フイオン?何語だ?てか8千円台って安っ!と調べてみるとどうやら中国(香港)のメーカーのようですね。

機能も某大手のペンタブと遜色ないようですし、思い切ってポチっとしました。

 

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そして届いたのがこちらです。おー、何だかかっこいいですね。黒くてスタイリッシュ?というのでしょうか。

サイズはA4くらいあるけど思ったより軽いので持ち運びは容易です。

 

ドキドキしながらドライバーをインストールし、pixiaという無料のお絵かきソフトを入れて、いざ、初めての作品にとりかからん!

アレ?描きにくい… 

ていうかペンの太さどこで変えるの?あ、間違えた、消しゴム消しゴム、って消えないやん!

と悪戦苦闘した末の作品がこちら

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これはヒドイ。自分の下手さに絶望した!というか死にたい。パソコンの画面を見ながら描くのがこんなに難しいとは。

まず普通に丸が描けないんです。歪んでしまって。そして描きたいところに線が引けない。これは直接線を引くタブレットと、絵が映るところ(PCのモニター)が違うからでしょうね。描くうちに慣れていくんでしょうか…

あと画面がツルツルするのも紙と違うので描きにくい要因の一つでしょう。

紙に普通に描いたら、も、もっとマシなの描ける、自分の実力はこんなもんじゃないんだ、と思いたい。

もうちょっと練習して上手くなってから「初めて描きました☆」と載せてもいいんだけど、レリゴーレリゴー、「ありのままの姿見せるのよ」ですよ。

ペンタブ始める前の妄想では「私はペンタブの方が向いてる! あんな絵とかこんな絵とか好きなように描けるはず!」と思っていました。はっ、愚かな。

今は全てのクリエイターの皆さまを尊敬します。これから赤ん坊のように一から描き方を勉強したいと思います。

 

まあペンタブ届いたの9月なのでこの時点でこの記事はありのままじゃないんですけどね。

この記事はペンタブ届いてすぐ書いたんだけど、ブログを始めるのが思ったより遅くなってしまって、テヘペロ

【映画】レッドタートル 答えのない問いの中に生きる【感想】

先日映画『レッドタートル ある島の物語』を見に行きました。

ジブリ映画ですが監督は外国の人(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)で、フランスで主に制作された映画です。

先に観た母がイライラして途中で映画館から出ようと思った、こんなこと今までで初めてだ、と言うのを聞いて観るのを躊躇したけど、予告にすごく惹かれたので思い切って観に行きました。結果私はとてもよかったです。観終わった後何ともいえない余韻に包まれました。

 

あらすじ

嵐の海に投げ出された一人の男がある無人島に流れ着く。筏を作り脱出を試みるが、何度試みても不思議な力で筏が壊されてしまう。

三度目に筏の下で大きな赤い海ガメ(レッドタートル)と出会い…

 

 

youtu.be

※ここからネタバレまくりです。

 

 

 

この映画は「普通の」映画と同じ見方をしたら確かに面白くないかもしれません。

まずセリフが一切ない(叫び声や呼び声とかはある)

そしていわゆる起承転結、ストーリーらしいストーリーがない。

そして人によって一番おかしいと感じるのはなぜ?に明確な「答え」や「説明」がなく、作中で意味付けがなされないことかもしれません。

 

ざっと列挙していくと

なぜ男は嵐の海の中にいたのか?

その前はどこでどんな暮らしをしていたのか?どんな人なのか?

その島はどこ、あるいは何なのか?

なぜ男は島から出られないのか?

なぜレッドタートルが人間になったのか?彼女は何者なのか?

なぜ突然津波がやってきたのか?

なぜ息子は島から出て行くことができたのか?あの後どうなったのか?

なぜ女の人はレッドタートルに戻ったのか?

 

こんな感じでしょうか。

そもそも起承転結がないのは、この映画では物語が一人の男の人生になっているからです。

無人島に流れ着き、脱出を試みるが叶わず、レッドタートルと出会い、人間の女性となったレッドタートルとの間に子どもができ、成長し、子どもは島を出ていき、自分はその島で年老い死んでいく。

ほぼこれだけです。普通の映画と同じように観ようとすると「わけがわからない」あるいは「何が言いたいのか?」と感じるかもしれません。

でも私は観ていて思いました。この男の人生と私の人生は根本的には何も変わらないのではないか、と。

無人島だった島で家族三人で生きていくという特殊な状況とはいえ、生きるために日々を過ごし、生きれるところまで生きて、そして死んでいく。ただ純粋に生がある。

純粋に命とは何か?なぜ生きるのか?生きる意味とは何か?と問うと、それにはっきりと「答え」を出すことはできないのではないでしょうか。

この映画では無数のなぜ?にはっきりと答えが示されていないのは、生きることそのものが答えを得られない問いの中にあるからだと思うのです。

それでも人は問わずにいられない、問うからこそこういう作品として結実する、芸術とはいのちへの問いそのものだー!この映画は芸術だー!ハアハア。落ち着こう。

そういう映画としてみると、津波がなんの前触れも理由もなく描かれるのも、人生において何の前触れも理由もなく起こることが山ほどあって、それでも生きていくしかないということを表しているといえます。

成長した息子だけが島を出ていくことができたのも、息子にはパートナーが島にいない以上外に出て行って探すしかないからなのではないかと解釈しました。子どもは親から離れ自立していく定めなら、いつまでも一緒の島にい続けるのは難しいということかもしれません。

私はそういう視点で観ていって、最後に男を看取った女性が再びレッドタートルになり海に消えていくのを観た時、切ないのか悲しいのか、はたまた苦しいのか、言葉で表せないような気持ちで胸いっぱいになりました。感動と一言で言いたくないような不思議な気持ち。

でも、嫌な気持ちでもなくて、本当にこの気持ちはなんだろう?映画を観て(あるいは本やドラマとかも含めて)こんな気持ちになったのは初めてでした。

それはやはりこの映画が純粋に「生きる」ということそのものに切り込んでいるからなんだろうな、と思います。

とにかく男が息を引き取り、レッドタートルがゆっくりゆっくり海に向かう描写が何とも言えなくて、このシーンは生きることと死ぬことについて本質的な何かが描かれていると言っていいんではなかろうか、と思いました。ああ、これは言葉でうまく伝えられなくてもどかしい。

人によってこの映画の面白さが全然違うのも「生きる」ということの捉え方が人によって全然違うからだろうな、と思います。特に小さいお子さんはつまらなく感じるかもしれません。大人の映画なのさ、ふっ、なんちゃって。

私も5歳で「木を植える男」のアニメを観たときは意味わからなくてまったく面白くなかったわー。

でも無人島に流れ着いてから次々と出来事が起こるからハラハラして、私は全然退屈しなかったけどな~。母にとって何があかんかったのだろう?

 

そして何より絵が芸術的すぎて画面を夢中になって観ていたから、私は絵だけでも一見の価値あり、と思いました。海や自然が本当に美しい。

葉っぱの一つ一つ、動物たち、影の動き等も完璧なんですよ!あとカニがかわいい。カニはこの映画の癒しですな。

最近また絵を描きはじめて、花一つきちんと描くのにすごく時間がかかる身としてはあれだけの映画を作り上げるのって相当だと思います。感服です。

監督の熱意はものすごいものがあると思います、これの制作に8年かかったというの納得です。

自分の生きた証としてこういう作品を残すのっていい人生だと思うなー。

 

人間の絵も目が点で表されているから表情が分かりにくいんだけど、動作や叫び声などで感情が伝わってくるのがすごい。息子が島を出ていくのを決意したときとか、男が息を引き取ったところとか、台詞一切なくても伝わってきました。

ていうか無人島で独りぼっち、て絶望しかないから、表情が乏しい絵でまだマシだった。そうじゃなかったら怖くてとても観ていられなかったかも。

男がバイオリンを弾く人の幻を観るあたりきつかったです。幻と最初は気づかなくて、必死で呼びかけたらかき消えてしまう、辛い…

多分レッドタートルが現れなかったら男は孤独で発狂していたと思うから、マジ女神ですよ。結局レッドタートルは何者で、なぜ男のもとにやってきたのでしょうね。

私は絶望でおかしくなった男がレッドタートルを人間だと思い込んで、幻を死ぬまで観ていたと解釈もできる、と思ったけれどそれじゃ救われなさ過ぎるから、やはりレッドタートルがその男の人を救ってくれたことでいいや。

レッドタートルは全然ヒットしてないみたいだけど、もっと多くの人に観てほしいなあ。万人受けしないのはわかるけどね…。私は好きだーーーーー

【漫画】シュトヘル【感想】

それは私が新卒で入社した会社でヘロヘロになっていた時でした。

職場の休み時間に入った本屋でとある漫画の1巻が立ち読みできるようにしてありました。その場で一気に1巻を読み終えた私は即2巻を買って帰りました。それが今回紹介する『シュトヘル』という漫画との出会いでした。

『シュトヘル』は今私が最も続きを楽しみにしている漫画の一つでして、そのストーリーと魅力について熱く語っていこうと思います。

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あらすじ

13世紀初頭、チンギスハン(テムジン)率いるモンゴルが勢いを増し、他国を飲み込みつつある時代。史上最強とうたわれたモンゴル軍から「悪霊(シュトヘル)」と恐れられた女賊がいた。

一方モンゴル側に属するツォグ族の皇子・ユルールは敵側である西夏の文字に魅せられ、モンゴルによって焼き尽くされんとする西夏文字を救うことを決意する。

その二人の出会った先に待つ運命とは…

 

ご紹介のようにこの漫画の主役はなんといっても「文字」です。日本の漫画はあらゆるジャンルの作品がありますけどここまで文字がフューチャーされている作品ってあるんでしょうかね?

文字が軸になっているためストーリーに芯が通ってぶれることがありません。歴史を基にした重厚なストーリーはめっちゃ私好みです。歴史の教科書で西夏文字を見たの覚えてたよ、懐かしい。

モンゴルとか西夏の歴史を知らなくても作中に説明がたくさん出てくるし問題なく楽しめると思います。

須藤という現代日本の少年もストーリーに絡んでくるんですが、こういう設定にする必要あったか?現代と絡めず当時の話だけでよいのでは?と最初は思いました。

でも読んでいくと彼を絡ませることによってユルールの夢が世迷いごとではない、実現する未来だ、という説得力につながるので逆によかったんじゃないかと今は思います。

作者の伊藤悠さんは『皇国の守護者』という原作つきの漫画で作画を担当していてその画力は折り紙つきですが、シュトヘルを読むと話を作る能力も相当高いように感じます。

人生経験たくさん積んだ方なのかな、台詞に重みがあります。

文字とは何か?人は何のために文字を使うのか?読んでいくうちに考えさせられ、ぐっと胸に迫ってきます。

 

ここがスゴい①画力

この漫画のすごいところは何と言っても伊藤悠さんの画く絵です。

絵がうまいと言ってもうまさにはいろいろあると思いますが、伊藤悠さんのすごいところは老若男女デブだろうがハゲだろうが美人だろうが不美人だろうがあらゆる人をあらゆる角度から描くことができることでしょう。

骨格や筋肉の付き方などある程度わかって描いているんだろうなあ。どれだけ絵を描いてきたのか、私とは比べ物にならないと思いますね。

あと動物もめちゃくちゃうまいです。ユルールと行動を共にするヤラルトゥという大鷲がいるんですが、鷲の羽って難しいですよね?なんであそこまでちゃんと描けるんだ?ってくらいリアルです。登場回数多いのに信じられないです。

モンゴルあたりにいる牛のゴワゴワした毛並みと馬の毛並みを描き分けていたときには鳥肌立ちました。ペン先を変えているのでしょうか、あのゴワっとした毛の感じを漫画であそこまで伝えられるのはすご過ぎです。感服です。

この絵だからこそストーリーが生きてくるというか、絵と話のベストマッチです。

 

ここがスゴい②名言・名場面

シュトヘルは絵だけでなく話もすごいんです。話が面白いというだけでなくどの巻にも必ず名言・名場面があるんじゃないか、ってくらい名言・名場面のオンパレードです。

どれが一番とか選べないですが、ここでは3つほど紹介します。

 

「何処にあっても、おのれの、生(なま)の台詞を吐け」

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これは7巻で金国の将軍がユルールに向かって言う台詞です。

私の思う生の台詞というのはその人の生身の言葉、本心、ということだと思います。

生きていく上では生の台詞だけを吐くのは本当に難しい。

欲しくないものを貰ってもありがとう嬉しいと言ったり、心では悪口を言っている相手におべっかを使ったり。心とは裏腹の台詞のなんと多いことか。

でもユルールはいつも揺るぎなく生の台詞を言う。だからこそその台詞は人の心に届くんだと思います。

ブログって人に見せるものだから、どう思われるか?とか気にしだすと思ってもいない上辺だけ綺麗な言葉を書き連ねて、素敵だと思いました!的な「良いこと」しか書けなくなってしまいそうです。

でも、自分の書きたいことを書きたいように書きたくてブログを始めたので、その辺ユルールに見習って「このブログでは自分の生の言葉を書く」ことをモットーにやっていく所存です。

そのうえで伝わりやすいようにとか、できるだけ楽しんで読んでもらえるような工夫はしたいですけど。

 

「目前でかなう夢だから、見ると思うか」

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これは10巻のユルールの台詞です。

私の夢はですね、「地球上のすべての人が安心して幸せに暮らせるようになること」なんですよ。

あ、今笑った人は前に出なさい。このユルールの台詞を100回読んで聞かせます。

ユルールが夢見るのは誰もが文字を持つことで人々が助けあうことができるようになり、争いで無用に死ぬことがなくなる世界です。

当時の世界では夢物語としか思えないことですが、今の日本ではおおよそ実現していますよね。まだ完璧とは言えなくても。

ユルールも須藤から日本の話を聞いて「夢のような話だ」と言っています。

途方もなくても、目前にはとてもかないそうになくても、夢見ることを諦めない誰かがいるからこそ何かを実現することができるんじゃないでしょうか。

そして9月に発売された13巻読むと「死ぬ前に一歩でも二歩でも進まなくては、おれたちの文字には未来も来ないんだ」という台詞が!

夢見るだけでは未来は来ない、実現するためには一歩でも前に進まないと、うーんやっぱりこの漫画はすごい。

 

「いつも生が死の先を走る。死に方は生き方を汚せない」

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これは11巻のシュトヘルの台詞です。

「甲斐ある死は恐れるものではない」というモンゴルの武人に対するシュトヘルの言葉なのですが、無残に死んだらその人の生きた年月は無残なのか?というとそうではないですよね。

寄生獣とかなんでも人がたくさん死ぬ漫画ってありますけど、その人の生きざまを描かれることもなくあっさり死んでいったり無残に殺される人たちを見ると、その人自身がそういう人(あっさり死ぬような、価値のない人)に見えてしまうことがあるんですよね。

こんな風に無残に死んでいくような人生はみじめだ、みたいな(漫画を描いている人がそう思っているかは知りませんが)

でも、はたしてそうなのか?というとどの人も「食って寝てそこにいた」し、「どう死のうが生が先」なわけです。

仲間をすべて無残に殺されてその亡骸が腐っていくところを見たシュトヘルが言うからこその重みのある台詞です。

自分がどう死ぬかはわからない。人からはみじめだ、無残だと言われるような死に方をするかもしれないけど、死に方で生き方が決まるわけではないのだ、と思うと勇気が出ますね。

どう死ぬかはわからないからこそ、生きている間はせいいっぱい生きたいものです。

 

長々と語りましたが、シュトヘル本当にお勧めの漫画です。

現在13巻まで発売されていて、物語もいよいよ大詰めな感じです。

どのように完結するのか目が離せません。

 

今期アニメの感想

私は物心ついたときからアニメが好きでしたが、大学生の頃から本格的にアニメオタク化し、今でも週に4~5本程度は観ております。

今期のアニメもほぼ終わりとなりましたし、ここらで振り返ってみようと思います。

ちなみにうちではBS受信できませんし、ネットも引いてないので全てをチェックはしておりませんが、観れるものは1話目はチェックするようにしています。

あと基本深夜アニメばっかりなので朝アニメ、夕方アニメはよくわからないです…

 

全力ウサギ

一番の掘り出し物となったアニメ。かわいいウサギたちが全力で生きるガテン系アニメ。

日曜朝にやっているので途中まで気付かず10話以上見逃したのが悔やまれる。

とにかくほっこりするし、基本「いい話」が多いので安心して観てられる。

キャラもみんなかわいい!大好き!とくにミナライのかわいさは異常。

もう最終回なのが悲しい。ずっとやって欲しかったよー。

 

Re:ゼロから始める異世界生活

いかにもラノベっぽいタイトル、絵柄、異世界という設定で「はいはい、ラノベラノベ」とスルーしていたが、偶然観たら正座で食い入るように観てしまった。

剣や魔法、そして美少女の出てくる異世界物は書き尽くされてる感があるが、ここまで主人公のカッコ悪いところ、醜い一面を描くラノベってあるんだろうか?

作者は心理学を勉強したか、己の暗黒面に逃げずに向き合ってきた人だと思う。よくぞここまで描いた、と感服しました。

ダメな自分をいかに認めて、成長するか、というのがとてもよく描かれている気がする。

自分の手足折るほどボコボコにしてきた相手に「俺はお前がだいっ嫌いだ」「俺の恥がお前の強さを知っているからだ」的な台詞を言える、そしてその人と一緒に戦える人ってなかなかいなそうだけど、それを言える人ってのは真に強い人だと思いますよ。

最初は見ていて痛々しかった主人公がすごくかっこよくなって、最終回は感動的でした。

ていうか最終回のあのシーン、もののけ姫だよね?オマージュだよね?

 

ベルセルク

説明不要な有名原作のアニメ化。

原作は鷹の団のあたりまで読んだことあるけど、ちょうどその後のエピソードからアニメは始まっているみたい。

映像がゲームみたいに独特で、スローモーション多様するところは好き嫌いが分かれそうな感じ。

私は嫌いじゃないけど、物語が進むのが遅く感じる。

そして観た後だいたい気分が沈んでしまう。だって残酷すぎるじゃない。

自分の中の恐怖や不安が目を覚ましてちょっと辛い。でも最終回はその恐怖や不安に打ち克つ力をもらえるような終わりでよかった。あれで終わりってえらい中途半端だけど。

あ、使われている平沢進さんの曲は神!世界観にハマってる~

 

サーヴァンプ

吸血鬼のイブという設定といい、絵といい思春期の特定の層の人に刺さりそうなアニメ(厨二ともいう)

私はむしろ思春期の頃の自分を思い出すせいか観ていてこっ恥ずかしいというか、かゆっってなっちゃう。

でも話の続きが気になるし、OPがむっちゃかっこいいので視聴継続した。こめられてるテーマも結構深い気がした。

 

斉木楠雄のψ難

ジャンプ漫画が原作のサイキックギャグ。主人公が超能力者でいろいろとスゴい。

ジャンプ漫画最近ほとんど読んでないので、これも読んだことなかったけど普通に面白い、毎回観ながら爆笑している。

「どこがだ。」とか斉木楠雄のツッコミがよい味出してる。

 

境界のRINNE

高橋留美子さん原作のアニメの第二シーズン。半分死神な主人公りんねと霊が見える女の子桜のラブコメ、みたいな?

私高橋留美子さんは「らんま」とか「犬夜叉」とか好きなんだけど、これはちょっとテイストが違うというか、話やギャグにキレが無いように感じる…

そしてヒロインの桜が表情に乏しいせいか感情移入しづらい。

でも当たり障りなく、というかものすごくつまらないわけでもないので毎週観ております。

第三シーズンも来年春放送決まったみたいだし、それもなんとなく観続けるんだろうなあ。

 

アクティヴレイド 機動強襲室第八係2nd

近未来で警察物って結構あるけど、絵も綺麗で話もしっかりして、キャラクターも立っている良作アニメだった。

一期目がほかのアニメとかぶっていてほとんど観れなかったのでわかりにくい部分もあったけど、特に問題は感じない。

ていうか録画の消化がまだ終わってないのでなんとも言えない。

 

うわー、改めてみると思ったよりアニメ観てますね。これ以外にもねこねこ日本史、ひつじのショーン、日本の昔ばなしなども毎週観ているから、もうアニメにどれだけ時間費やしってんだ、て感じですね。ていうなかなか録画消化できないでいます。

はんだくん、チア男子、スカーレッドライダーゼクス、ねじ巻き精霊戦記、91Daysなども悪くはなかったんだけど、さすがに全部を観ることはできない、ということで録画してまでは観ませんでした。

とくに「はんだくん」はね、「ばらかもん」がめちゃくちゃ好きだから期待してしまったけど、キャラが被っているとはいえまったく別物でしたね…というか「なる」がいない。

※「はんだくん」は「ばらかもん」の主人公が高校生の時のアニメ

「ばらかもん」は本当にいいアニメでした。都会の生活や仕事に疲れている大人は特に心に沁みると思います。田舎+子ども=最強、という図式が見事に成立しておりました。

まあ「ばらかもん」のことはこれくらいにして、またこれから新しいアニメが始まるし、楽しみです。

新しいアニメも感想とか書いていこうと思います。

期待しているのはクラシカロイドとユーリ!!!on Iceです。特にスポーツではフィギュアスケートを一番熱心に観ているのでガチフィギュアオタが作ったっぽいユーリはほんとに楽しみです。