ふるさと再生 日本の昔ばなしに物申す
ぼお~や~、よいこだねんねしな~
の歌を懐かしく感じる世代です。龍に乗ったぼうやかわいかったですね~。
私は子どもの頃ヤマギシにいたけど日本昔話は観たことあるんですよねー。親元に帰った時とかに何度か観たけど面白かった記憶があります。
実はですね、今も日本昔話のアニメをやっているんですよ!
今やっているのはヘーベルハウス劇場の「ふるさと再生 日本の昔ばなし」というアニメで日曜の朝9時に放送しています(三重テレビでは木曜の夕方にも放送している)
子持ちのお母さんのおうちに遊びに行った時に観せてもらったのをきっかけに、私も観るようになったんです。
私年を取るにつれて子どもむけアニメが楽しくなってきてですね。むしろ山あり谷ありでハラハラドキドキしたり、複雑な設定で観るのに頭を使うのはもういいや、って感じで単純に楽しめる作品を求める感じになっていまして。
それでふるさと再生 日本の昔ばなしは基本「めでたしめでたし」のほのぼのストーリーで、人が死なないし安心して観られると思ってすごくお気に入りだったんです。
そう、私はふるさと再生 日本の昔ばなしが大好きなんですよ。本当は物申すことなどございません、クレーマーじゃありません、と言いたいところなんです。
それが夏頃から「めでたしめでたし」では済まない話が増えてきたんです。
夏といえば怪談、そう、「怖い話」が増えたんですよ、ヒュードロドロ。
おいてけ堀などの有名な怪談はまだしも、とうとう「人が死ぬ」話が放送されるようになったんですよ!
待ち続ける妻のところへ帰らなかった夫が死んだ妻に魂持ってかれる「死んだ妻の悪霊」、嫉妬深い妻が開けてはいけないと言われた箱を開けて目玉を抜かれ幽霊?と化す「嫉妬の箱」、前妻が死ぬ際後妻を娶らないと約束したのに後妻を娶り、後妻が前妻の霊にとり殺される「やぶられた約束」、などなど。ていうか後妻何も悪いことしてないよね?理不尽すぎない?
そしてついにこんなのまで放送されました。それが「吉作落とし」です。
※吉作の読みは「きっさく」
どんな話かというと
吉作というイワタケ(岩場に生えるキノコ)取りの名人がいました。
吉作は腕に自信があったので、ある時「危ないので行ってはいけない」と言われていた岩峰までイワタケ取りに行きました。
イワタケがたくさん取れて、浮かれる吉作はちょうどいい足場があるのを見つけてそこで休憩することにしました。
しかし、吉作の体の重みで伸び切っていた縄が縮み、吉作は岩峰に取り残されてしまうのです。
絵にするとこんな感じ
助けを呼んでも岩峰には誰も近づかないので声が届くことはありません。
岩場からしたたる水を舐め、なんとか生きながらえるのですが、幾日もたつと吉作はやつれはて、ついには岩峰から落ちていくのでした、笑い声をあげながら…
エグい、エグすぎるよ!絶望しかない話だよ!
何が怖いって吉作が岩峰に取り残されてから死ぬまでをすごくリアルに描写しているところです。
縄に手を伸ばすけれど届かないので岩壁を登ってみるも、崩れてしまって登れない。
何度助けを呼んでも一向に返事はなく、助けは来ない。
次第にやつれて幻覚を見るほど精神的にも追い詰められていく。
そして落ちていく吉作の顔がまさに狂気です。涙とよだれを流し笑いながら落ちていくところの絵の凄まじさ、これ自分で飛び降りたという解釈でいいのかな?
これって「よいこなぼうや」向けの作品じゃなかったっけ?厚生労働省推薦(児童福祉文化賞受賞)だよね?EDでは「ぴょんぴょん、ぷにょぷにょ、ぷぎぷぎ、いえーい」とか歌ってるよね?
何が「いえーい」だよ!怖すぎるんじゃーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
完全に観ていた子どもたちの胸にトラウマブぶち込みにいってますよ。制作者は鬼や。
被ってた羊の皮はがしてきてるよ、狼が見えちゃってるよ~。
お話の中では己を過信するとこうなる、という教訓を込めてその岩峰を「吉作落とし」というようになったのです、と〆ていました。
現実の世界はいつも「めでたしめでたし」とは限らないし、こういう作品は意義があるともいえるかもしれません。
しかしですね。最近のふるさと再生 日本の昔ばなしにこれだけは言いたい。
もうやめてええええええええ
こわいんじゃあああああああ
私は夜寝る前に歯磨きしながらこの番組を観る習慣があるのですが、「吉作落とし」を観た日はなかなか寝付けませんでした。
子ども向けとナメてた私が悪かった。でもこれからはできるだけほのぼの路線でお願いします。人死にはできるだけ無しの方向でお願いします。
ほんとすごいものを観てしまった。制作した人は狙ってやってるよね?してやったりだよね?
なんだかんだ言ってふるさと再生 日本の昔ばなしはとても良質なアニメでオススメです。EDの歌もかわいいし。
子ども向けと侮らず、どうぞご覧になってください。とてつもないものが観れるかもしれませんよ…
※最近は怪談もの減りました、良かった。「船を沈めた大鯉」とかでも人死んでたけどね!怖くなければOK!