趣味のこと、幸せのこと

ヤマギシで生まれた発達障害者が幸せについて本気だして考えてみた、というほどでもなく趣味についてやあれやこれや気ままに書くブログ

カルト村で生まれました。

自己紹介も兼ねてと、ヤマギシで生まれ育ったからには取り上げないわけにはいかないな、というわけで最初に紹介する本はこちら、高田かやさんの『カルト村で生まれました。』です。

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『カルト村で生まれました。』ではヤマギシとは明言してませんが、とあるカルト村で生まれ育った人の漫画です。ヤマギシ生まれの私からしてもこのカルト村はまずヤマギシのことで間違いないと思います。

ていうかヤマギシって知ってます?若い人で幸福会ヤマギシを知っている人は少ない気もするので少し説明すると、山岸巳代蔵という人が唱えた思想に共鳴した人が集まって農業を基盤に共同生活しているところ、みたいな感じでしょうか。

全人幸福とか無所有一体というのを理想として幸福な社会を作ろうとして活動していたのかな。私は中学の時に出たのでよくわかりません。

子どもへの虐待などでかなりバッシングされたようですし、オウム真理教とか創価学会みたいなカルトや新興宗教(いわゆる怪しい団体)扱いのところなんでしょうね。

私からしたら理想社会を作ろうとしているけれど教祖や教典(聖書みたいなの)はないし、いわゆる神様がいてそれに祈るというのもなかったので宗教とは少し違う気がしますけど、外から見たら似たり寄ったりな怪しさではあるかもしれないですね。

 

それでこの『カルト村で生まれました。』の良いところは、批判をするでもなく、美化するでもなくヤマギシですごした子ども時代を振り返っているところです。

辛いこともあるけど楽しかったことも書いてある。要はドキュメンタリーという感じでしょうか。ヤマギシを知らない人からしたらへー、ヤマギシってこんな感じなのかな、って自分の知らない世界を覗けて面白いと思います。

私としてはめっちゃ「あるある」ネタですよ。学園生あるある。あ、ヤマギシでは子どもたちは学園というところに集められて共同生活をしていたのです。

だいたい20~100人くらいの規模で少数の大人が「世話係」としてつきます。

親とは離れて暮らし、1ケ月に1回(高田さんの時代は2カ月に1回くらいのようです)しか会うことができません。そういう中で過ごした子ども時代を回想している漫画です。

ヤマギシ関連の本はほかにも出ているけれど批判本とか内容が偏っていたり、作者の主張が強くてで読み物として面白いかは疑問ですが、これは絵柄も可愛らしいし、漫画だし読みやすいんじゃないでしょうか。

でも絵柄がほのぼのとしてるから作者の高田かやさんがどれだけ辛い思いをしていたか伝わりにくいけど、ほんと虐待でしょこれ、ってこと書いてありますね。全人幸福はどこいった、自分たちのところにいる子どもの方が幸福と言い難い状況とちゃいますか、とツッコミたい。

私は高田かやさんより下の世代で、されたことは平手打ちや廊下に立たされたくらいなので随分ましなんだと思います。

ていうか大人より子ども同士の方が大変でしたよ。私は学園生時代にいじめとか暴力とか体験してそのあとの人格形成に多大に影響及ぼしましたもん。『カルト村で生まれました』はそういうところ書いてなくて、子ども同士は仲良かったのかな?

ヤマギシは全国にたくさんあったからいつどこにいたかで、個人個人体験は違うしヤマギシへの思いも人それぞれです。

ただ心に深い傷を負った子はたくさんいるだろうし、今も精神的な病に苦しんでいたりする話はよく聞きます。

ヤマギシの大人たちは誰も子どもを苦しめてやろう、とか虐待しようと思ってしていたのではなく本当に幸せに育つよう考えていたと思うし、それぞれの状況のなか精一杯やっていたのでしょう。

できればどうしてこうなったか、間違いはどこにあったか、きちんと検証した方が後世へのためになると思うんですが、そういうことやっているという話は聞きませんね。

すべてを無かったことにしてシラっと暮らしてるんじゃねえよ、と思う時があります(おっと、口が悪くなってしまいました)

 

けれどですね、この本を読んだ方、読む方にこれだけは言いたい。

やっぱり理想社会とか言ってるやつらってアブナイな、理想を追ったって所詮叶いっこないし今のままで普通に暮らしていけたらいいや、って思いましたよね?え?思っていない?

私は両親が本気で理想社会の実現に燃えてヤマギシに飛び込み、真剣にやってきたと聞いているし、ほかの大人たちも多かれ少なかれそうだったんだと思うのです。

何か間違いはあった、でも理想の社会を夢見ること自体を馬鹿にしないで欲しい。蔑まないで欲しい。

だって神様に「あなたが一番望む世界を選んでください」って言われたとしたら本当に今の世界(社会)を選びますか?って話ですよ。

自殺者3万人、自殺未遂者は53万人と言われていて実際はもっと多いんでしょう?うつ病の人や精神を病んでいる人がどれだけいるんですか?いじめや虐待や差別が無くならないのは何かが根本的に間違っているからなのではないですか?

私もヤマギシを出た後は「普通」の社会で「普通」に生きようと必死になりました。でも表面的に普通に合わせていてもずっとしんどかったです。

だってこの社会では普通から落伍した人にすごく冷たい感じがしたから。落っこちるわけにはいかない綱渡りをしているような気持ちで生きていました。

私は社会に不適合なのか?この世界で生きていくのに値しないのか?

いや!間違っているのは世界の方だ!革命だ!

なんて冗談ですけど、普通だろうが普通じゃなかろうが誰もが幸せに暮らせる社会ってそう悪いものでもないと思うんですけどね。そもそも普通ってなんだって話だし。

今さらヤマギシに戻ろうとは思わないけど、いわゆる普通の生き方を頑張って目指そうとはもう思いません。

「正社員で働いて適齢になったら結婚して子どもを育てマイホームを持つ、定年退職したあとは年金暮らし」

という普通が揺らいできているからか、普通じゃない生き方も依然より受け入れられやすい感じがしますし。

作者の高田かやさんは今はヤマギシを出て結婚して普通に?暮らしているようですね。

ちなみに、高田かやさんのお父さんと私は顔見知りっぽいです。いやー、ヤマギシでの人間関係って案外狭い、というかどこでどう繋がっているかわからないものですね。

初めまして

初めましてこんにちは。

私はヤマギシで生まれ育ちました。ヤマギシ(幸福会ヤマギシ)というのはいわゆるカルトと言われているところです。詳しくはググってね。

最近になって軽度の発達障害の診断を受けました。発達障害というのは発達に障害があることです。詳しくはry

そんな私がどんなふうに育ってきたかざっとご紹介します。

 

 

ヤマギシというカルト村で生まれる(スタート地点でずっこける)

 

5歳で親元を離れ子どもたちの集団の中で過ごすも、行く先々でイジメにあい、人間不信に染まっていく(集団生活で育ったのに対人関係不得意に)

 

中学生でヤマギシを出て、一般社会で暮らすようになる

しかし親子、とくに母親との関係悪化、あまりにも育ったところと価値観が違うせいか学校にもなじめず(対人関係不得意をどんどんこじらせる)

 

高校ではなんとか友人はできるも高3の時に友達とクラスが分かれると、自分は独りの方が楽だ、これからは独りで生きて行くぜ!と開き直る(ぼっち化、完全にコミュ障に)

 

それでも何とか大学まで進学、卒業後就職し、一人暮らしをする(もちろん大学や就職先でも対人関係不得意、基本ぼっち)

 

疲れ果てて2年で退職、両親のいる鈴鹿に移り、アズワンコミュニティ鈴鹿に出会う(人生の転換期)

 

母と同居することで今までの問題が噴出、精神ガタガタのままブラジルへ行き半年滞在するもうつ状態になり帰国(メンヘラ化)

 

親元で療養、両親や周りの人のサポートもあり回復に向かう(ヒキこもりニート時代)

 

転職を繰り返しながらも自分の人生を見つめなおし中、そして最近発達障害と診断される

 

 

見事な社会不適合者っぷりに笑えますね。うつっぽいときには通院していないので病院で診断されたのは発達障害のみですが、うつ、アダルトチルドレン、供依存、愛着障害、人格障害、…ありとあらゆる精神的な病に当てはまっていたと思います。そういうのって大体複合するしね。

今はだいぶ回復しております。むしろパラダイムシフトが起きて最近悩みとかあまりないです。苦しみよさらば!健康ばんざい!

そして私は思ったのです。

 

「私が社会に不適合なのではない、社会が私に不適合なのではないか」

 

と。

こんな私だから発信できる何かがある、という熱い思いもあったりなかったり、ここでは趣味の漫画やアニメのことやメンタルのこと、自分の創作物や自分語りなど好きに書き散らす予定です。

普通に生きることが苦しいと感じている人、幸せに生きようともがいている人に何か幸せのヒントになることを書けたらなー、とも思っています。

どうぞよろしくお願いします。