趣味のこと、幸せのこと

ヤマギシで生まれた発達障害者が幸せについて本気だして考えてみた、というほどでもなく趣味についてやあれやこれや気ままに書くブログ

【アニメ】精霊の守り人は神がかった神アニメだった

以前今期アニメの感想をアップしましたが、今回は今NHK総合で金曜深夜に放送しているアニメ精霊の守り人を取り上げたいと思います。

この精霊の守り人は2007年に制作、NHKのBSで放送していたアニメなので厳密には今のアニメとは違うというわけでして。以前やっていた時私は見逃してしまったのです。

いやそもそも私は上橋菜穂子さんの原作である「守り人」シリーズの第一作『精霊の守り人』に高校の図書館で出会ってすごい衝撃を受けたのです。私の理想のファンタジーはこういうものだ!と思いました。人物描写に風俗描写、「異世界」の設定、込められた深いテーマ…人類学者ならではというのでしょうか、真面目で丁寧な作風、そして見事なストーリーにしびれました。

続く『闇の守り人』『夢の守り人』『神の守り人』『虚空の旅人』『蒼路の旅人』までは読んだものの、いまだシリーズ完結までは読んでいないのですが。

とにかく今再放送しているのを知ってから今度こそ見逃すまい、と毎話録画して観ております。

 

ざっとあらすじを紹介すると

この世と平行して存在する目に見えない世界<ナユグ>の「水の精霊」の卵を産みつけられてしまったため、父帝から命をねらわれることになった新ヨゴ皇国第二皇子チャグム。
彼は刺客の罠にかかったところをバルサという短槍使いの用心棒の女性に救われる。養父の罪をあがなうため人助けの旅を続けていたバルサは、チャグムの護衛を引き受ける。
バルサの仲間たちとの交流の中で、皇子という生い立ちとは関係なく一人の少年としてたくましく成長していくチャグム。
バルサは刺客を防ぎながら、「水の精霊」の卵を孵しチャグムの身を守りきれるのか…。

 

原作でなくアニメの方の出来は…素晴らしいデース!ファンタースティコ!(今テレビでイタリア語観ている)

何がすごいってもう動く絵を超越しているところです。そこに人が生きています、暮らしています。新ヨゴ皇国があります!

新ヨゴ皇国は古代の東アジア(東南アジアも?)をベースにしていると思われますが、王宮での暮らし、街での暮らし、農村での暮らし、動物たち、田畑や自然そして異世界<ナユグ>…どれも確かにそこに存在している手触りを感じさせるんです。

※インターネッツの情報では江戸時代の日本がベースのようですね

絵のクオリティももちろんですが、本当に細かなところまでちゃんと描いていて、バルサとチャグムが暮らす小屋の水車の仕組みまで説明してくれるんですよ!

アニメのキャラクターはご飯食べなくても死なないし、誰もお米や服やいろんなもの作ってくれなくても困らない存在です。でも、精霊の守り人では作っている人、それを使う人、そのほか全ての存在で世界が形作られていることが伝わってくるんです。こんなアニメほかにあるんだろうか?? 

もうここまでいくと新ヨゴ国のドキュメンタリーを、それも良質なものを観ている気分ですよ。

私は民俗学とか文化人類学とか好きなんでこういうのすごく興奮してしまう(笑)

人によっては話の展開が遅い、と感じるかもしれませんが、いいぞもっとやれ!って感じです。むしろ「そこ」を描くことこそこの作品の肝だと思いますね。

ていうか新ヨゴ皇国の文字って西夏文字を参考にしてるんじゃないかな!?シュトヘルファンとしてはそれもちょっぴり嬉しい。

 

キャラクターたちですが、バルサは原作通りカッコよく、強く、そして優しい。そして巨乳(笑)

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バルサ描いてみました

 

あの胸じゃ戦う時に邪魔になりそう、といらぬ心配をしてしまうぐらいですが、狩人やバルサに因縁がある男との戦いを見る限り問題ナッシング、と推測されます。バトルシーンは本当にすごいです。一見の価値ありです。

チャグムは賢い、すごくしっかりしている。原作にはないエピソード(イカサマを見抜く等)ではチャグムの並はずれた賢さや器の大きさの片りんを感じさせてよかったです。

でも、原作のチャグムはしっかりしているけどまだ幼くて、自分の運命を受け入れ難く苦しんでいるときもあります。自分が望んだわけでもないのに精霊に卵を産まれて命を狙われて逃亡生活になったら誰だって「なんで自分がこんな目に!」て思うと思うんですよね。その鬱屈をバルサにぶつけるシーンは原作屈指の名シーンだと思っているので、アニメでは描かれることがあるのか、気になります。

今のところアニメのチャグムはしっかりし過ぎていてそんなことしそうにないんですが。まあ1話だけ見逃したので1話で済ませていたのならすいません。

→19話でやりましたね。でも原作の方が良かったかな。バルサがチャグムをひっぱたくのは正直いらなかったと思う…

 

薬師のタンダはいかにも優しそうで原作ぴったりだし、シュガがイケメンでまさに若きホープといった感じだし、トロガイ師の呪術師っぷりも、とにかくどのキャラクターたちも原作のイメージを崩すことなくむしろ存分に魅力的になって登場しています。

ありがとう、いち原作ファンとして御礼申し上げます。あーりーがーとーう!!

原作ファンとしては原作の世界観を崩してほしくない、という希望は強いんですが、このアニメにだいぶ原作者の上橋さんが協力されているんでしょうか?原作にないエピソードや描写があっても決して原作を壊しているわけではなく、むしろ補完したり充実味が増してて、原作を完璧になぞらなくても成功するいい見本だと思います。

結末はわかっていてもどのように話が展開するか?わからなくて原作読んでいてもワクワクできるのもいいですね!

 

精霊の守り人のアニメは絵もストーリーもキャラクターも設定も全てが神っていると言えるんですが、一つだけ難癖をつけるとしたらOPがなぁ… 歌、というよりあの歌い方が私は好きになれない。

ラルクは嫌いじゃない、でもあの粘り気のある歌い方がなんか気になるんだー、すまん!

ちなみにNHKでドラマ化したのは怖くて観れませんでした。

実写で果たしてこの世界観を表しきれるのだろうか!?アニメに任せておいた方がよくないですかね??